『埋蔵する』『ふるまいのアーキビスツ』

したため『埋蔵する』『ふるまいのアーキビスツ』東京&上田二都市ツアー

『埋蔵する』photo: Yuki Moriya


|岸井大輔
演出|和田ながら(したため)

『埋蔵する』
出演
|諸江翔大朗(ARCHIVES PAY)

『ふるまいのアーキビスツ』
出演
|長洲仁美

演出助手|坂井初音


戯曲全文

『埋蔵する』

石に下記文字を記し、土中に埋める。

この石に刻まれた文字は戯曲です。2500年を超えたギリシャのせりふがいまだ上演されるように、何千年かの後、演劇という言葉がなくなるか今とまったく違うように理解され、作品という言葉もなくなるか今とまったく違うように理解されているにもかかわらず、この石を見つけた誰かが、この言葉を写しとり、また写し取った誰かによって、上演されるでしょう。


『ふるまいのアーキビスツ』

1 俳優を、ふるまいのアーキビストと捉えてみる。

2 アーキビストとは、アーカイブをする人のことで、永久に保存する価値のある情報を、選んで、集めて、整理して、保存して、管理して、見ることができるよう整える専門職をさす。よって、人間のふるまいを人間がやって残しても、アーキビストの仕事とは遠いとされるだろう。しかし、日本において、建物や制度や芸術作品よりも、それらを作る技術の方が事実上⻑く保存されてきている。つまり、日本でアーカイブを考えるのならば、物体ではなく、ふるまいの継承において考えられるべき事だ。それは、かつてのふるまいを、リプレゼンテーション=再演/上演可能なふるまいとして継承することを意味する。

3 ふるまいは、個人の行動だけでなく、状況における行動をさす。状況には他人も含まれる。よって、俳優は、ふるまいをアーカイブするために、集団になる必要がある。また、その状況も含めてアーカイブするために俳優以外の人も必要になる。そして、ふるまいをアーカイブするとは、動きをトレースするだけでなく、そのふるまいの意義や状況など、意味するところも含めてアーカイブすることが使命である。

4 俳優は、わざおぎという古語の当て字である。わざは技であり、おぎは招くの意味だ。即ち、神を招く技をもつものを俳優(わざおぎ)と呼んだ。そして、多くこの職業は滑稽芸や曲芸をやったという。天岩戶や神道の葬式から考えるに、日本では神を招くためにこそ滑稽な技を使ったのだろう。私は、この言葉を、消えて行くものとしての先祖やオーラのような、ある状況のふるまいに伴う意義をも含め再現する、すなわちその場に招く技をもった存在と捉える。

5 ここでいう俳優はアクターでもプレイヤーでもない。


東京/美学校公演

美学校講師の岸井です。 和田ながらさん演出で僕の戯曲『埋蔵する』『ふるまいのアーキビスツ』を美学校でやります。
この2作は、いわゆる上演不能戯曲です(戯曲全文以下)。和田さんはその上演を大阪・京都で試みることで、現代において表現とは何かを浮き彫りたと感じました。この上演が50年以上続くアートスクールである美学校にどのように響くのかを見たく東京公演をお願いしました。
毎日2作品とも上演し、80分の上演後、ゲストを交えて1時間程度のトークがあります。席数少ないのでお早目の予約をお勧めします。

岸井大輔

日程|2022年
8月5日(金)19:00 アフタートークゲスト:稲継美保
8月6日(土)19:00 アフタートークゲスト:岡啓輔
8月7日(日)15:00 アフタートークゲスト:中村大地(作家・演出家/屋根裏ハイツ)
※開場は開演の30分前。
※上演は80分程、アフタートークは60分程を予定、休憩込み。

料金|前売3,000円 当日3,500円

予約フォームhttps://bigakko.jp/event/2021/shitatame-koen
※7月1日(金)受付開始

会場美学校 本校(東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F) 
*東京メトロ半蔵門線・都営新宿線/三田線 神保町駅 A3出口より徒歩3分
*JR総武線 水道橋駅 東口より徒歩8分
*JR中央線・総武線 御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口より徒歩13分


上田/犀の角公演

したための和田ながらです。
昨年の夏にできなかった東京・美学校での公演のリベンジ、を考えていたときに、せっかくならこの作品たちともっと旅をしたいという思いがふつふつとわいてきました。そしてその次の瞬間には、昨年秋に訪問した上田市・犀の角でこの二作品を上演するイメージがはっきりとあらわれてきました。昨年の夏、わたしはまだ犀の角を名前だけしか知らなかった。今年の夏だから、犀の角に行きたいと思えた。
わたしは、直感を信じることにしています。

和田ながら


日程|2022年
8月13日(土)19:00
8月14日(日)15:00
※開場は開演の30分前。
※上演は80分程、休憩込み。

料金
一般前売    2,500円
一般当日    3,000円
U-25   2,000円(前売、当日共通)

予約フォームhttps://shibai-engine.net/prism/webform.php?d=4hwcwfjk
※7月1日(金)受付開始

会場犀の角(長野県上田市中央2-11-20)
*北陸新幹線・しなの鉄道・別所線 上田駅 より徒歩10分
*上信越自動車道・上田菅平ICより車で約10分
※ お車でお越しの方は、「海野町パーク」など近隣の駐車場をご利用ください。


ご来場の方へのお願い

・咳エチケット、会場内でのマスク着用、こまめな手洗いと手指消毒にご協力をお願いいたします。マスクの着用が困難な方は、その旨をお知らせください。

・下記に該当する場合、ご来場はお控えくださいますよう、お願いいたします。

◇37.5°以上の発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、味覚・嗅覚障害、眼の痛みや結膜の充血、頭痛、間接・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐等の症状のある方

◇過去2週間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域への訪問歴及び当該在住者との濃厚接触がある方


お問合せ|info.shitatame@gmail.com(したため)


協力|シバイエンジン(上田公演)
共催|美学校(東京公演)
主催|したため
助成|公益財団法人セゾン文化財団
京都芸術センター制作支援事業



プロフィール


岸井大輔 きしい・だいすけ
1970年生。劇作家。他ジャンルで遂行された形式化が演劇でも可能かを問う作品群を発表している。代表作「potalive」「東京の条件」「好きにやることの喜劇(コメディー)」「始末をかく」。2021年より「PARA」主宰。多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科講師美学校講師。現在ポストコンテンポラリーアート概念錬成中。

諸江翔大朗 もろえ・しょうたろう
京都造形芸術大学卒。京都市内において、Uber Eats配達員として料理を運び、翌朝にはそこから出たゴミを回収する仕事を生業としている。近年では、ダンスカンパニーのakakilike、アーティストの荒木優光、演出家の和田ながら(したため)、萩原雄太(かもめマシーン)、河井朗(ルサンチカ)らの作品に出演している。記録にまつわる作業集団「ARCHIVES PAY」所属。


長洲仁美 ながす・ひとみ
茨城県出身。京都造形芸術大学映像舞台芸術学科 映像芸術コース卒業。卒業後に、dracom、大橋可也&ダンサーズ、Marcelo Evelin、したため等の作品に出演。


東京公演トークゲスト


稲継美保 いなつぐ・みほ
俳優。東京藝術大学在学中より演劇を始め、舞台を中心にフリーランスで活動中。国内外問わず様々な演出家・カンパニーの作品に出演し、幅広い役柄をこなし、枠にとらわれない活動を行っている。

岡啓輔 おか・けいすけ
1965年九州柳川生まれ、一級建築士、高山建築学校管理、蟻鱒鳶ル建設中。ウイークポイントは、心臓、色覚、読書。1995年から2003年まで「岡画郎」を運営。2005年、蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)着工。2018年、筑摩書房から「バベる!自力でビルを建てる男」を出版。2019年「のせでんアートライン2019」に参加。


中村大地 なかむら・だいち
1991年東京都生まれ。東北大学文学部卒。在学中に劇団「屋根裏ハイツ」を旗揚げし、8年間仙台を拠点に活動。2018年より東京に在住。現在も仙台・横浜・東京を行き来しながら、人が生き抜くために必要な「役立つ演劇」を志向した創作を続けている。『ここは出口ではない』で第2回人間座「田畑実戯曲賞」を受賞。「利賀演劇人コンクール2019」ではチェーホフ『桜の園』を上演し、観客賞受賞、優秀演出家賞一席となる。近年は小説の執筆などにも活動を広げている。一般社団法人NOOKメンバー。(撮影:本藤太郎)

0 件のコメント:

コメントを投稿